モンタナ州でネットビジネスを成功させる

（その1）

見ず知らずのど田舎・モンタナ州で印刷ネットビジネスを成功させた

PrintingFor Less.ComのAndrew Field氏の成功事例

空のでっかいところででっかいことをする
Andrew Fieldは決してその地位に満足していなかった。Montanaで彼は、自身の事業と人生のスタイルを見出し、それを続けている。

Andrew FieldはYellowstone Riverでの朝早くからの蚊針釣りで釣った鮭を放して、手ぶらで帰ってくる。仕事に取り掛かろうとすると、リビングの大きな窓に、雪冠の山に朝日が昇り、遠くにレイヨウの群れが走る姿を見る。Andrewは47歳、妻のVictoriaは33歳、ともに家を出る。VictoriaはAmerican Automotive Supply社、二人のもともとの商売のCEO、AndrewはPrintingForLess(PFL)を経営している。両社ともMontana州のLivingstoneにある。

Fieldは30分かけて愛犬コリーとラブラドル交配犬、Jessieと一緒に通う。車は通っていない。Beartooth山を見て、川沿いに走ると、実に、平和で落ち着いたものである。PFLに着くまでAndrewは心を落ち着け、その日の仕事にかかる準備をする。

7年もたたない間に、Fieldはちっぽけな印刷会社、PFLを1,800万ドル(約 21.6億円)の売上、160人の従業員、7万社の顧客の企業に成長させた。Fieldは顧客の求める、早く、安くの要望を満たす一方で、従業員が喜びを覚える、創造的な文化を造成してきた。有能な、高等教育を受けた連中が米国中からこの辺鄙なところへ仕事を求めてやってくる。

伝統的な、錆びた地帯に基地を置く印刷産業の規定概念に追随するのでなく、FieldはMontanaを基地と選び、ビジネスを変えてゆく新しい技術を立ち上げた。努力の甲斐あって、彼は多くの褒章、例えば、非営利Winning Workplaceとか、Fortune Small BusinessによるMontana 2004アントレプレナー賞、2005年最優秀経営者賞を獲得した。PFLは毎日、50社以上の客を獲得して成長している。

しかし、物事はいつも、喜ばしいばかりではない。普通のアントレプレナー(起業家)のように、リスクを取り、仕事の途中では大きな挑戦にも出会ったりしてきた。

IDAHO州の弁護士の4人兄弟・次男坊として生まれ、できる学生で、Carifornia州のSan Mateoの高校では実力のある水泳選手であった。いつもイラついていて、Fieldは生物学のクラスにうんざりしていたが、卒業するためにと生徒指導カウンセラーが印刷コースへ彼を編入したことが幸いする。高校ではモジュール単位で勉強し、長く留年したが、Fieldはその分、印刷を実地で勉強してきた。割り付け、暗室技術、ストリッピング、焼き、印刷実技を経験し、彼はこよなく好きになった。彼は懸命に働き、放課後は町の小印刷会社で仕事をした。立場にも恵まれ、残業分の仕事を時間内でこなすことをしたが、あまりやりすぎて、給料と一緒に、解雇通告を受ける。女社長と契約したとき、仕事の世界で初めて講義を受けた。人生とは公平ではない。その女社長は残業代を支払わないし、残業代を求めない他の者を探す、としていた。

17歳の彼は思いとどまろうとはしなかった。近くのCarifornia州のBirlingameの印刷工場の職を見つけ、卒業年度はそこで働いた。必死でやったお陰で、彼はSt.LouisのWashington Universityへ４年間の特待生の資格を得る。

卒業後、Fieldは旅に出て、印刷会社へ勤めつつ、オーディオ・ビデオの仕事をする。将来の伴侶と出会ったときは、Los Angelesの学校バスの修理工場で働いていた。「Victoriaはスナックバーで座っていて、最初は本当に可愛かった。」と、Fieldは記憶している。「彼女はLos Angelsに来ていて、彼女のシカゴの家までついて行った。同時に、結婚して、Mineapolisに落ち着き、私はここでも印刷会社に勤めた。」

ここでも彼は変化を求めていらつきだした。「自分の人生のほとんど、大都会で生活してきたので、もっと落ち着いた、平和な環境で、新しい機会を探そうと動き出した。」と、Fieldは言う。

1989年、彼はVictoriaと一緒に、この町を出て自然美と、広大さのMontanaに向かう。小さな町、Livingstoneでの生活をさぐっていると、Fieldは信頼できる自動車店の必要性を感じた。彼は車をもとにして働きたかったし、ついに、自動車修理の専門と過去の経験で現金収入を得ることに決めた。1990年、彼とVictoriaはもう一人のパートナーを引き込み、American Automotive社を共同設立する。しかし、唐突の事業であり、落ち着いたものとは程遠いものとなる。最初の何か月、創業者として、寒い土地で過ごし、車は動きにくく、ベタ雪、グリース油、滴下油が顔に着く苦闘であった。「家の周りの美しい環境を楽しむどころでなく、仕事が怖くなり、日々の仕事に耐えきれないものになってきた。」と、Fieldは言う。「仕事を変えねば...、だが、それが何かはわからなかった。」　悪いことに、近所の犬、大型秋田犬が彼の足にかみついた。

「3週間、松葉杖で過ごしたが、それはかって経験したことのないこととなった。」と、Fieldは言う。回復の間、車の修理はできないので、新しいブレーキラッチェ装置のメーカーやいくつかの自動車装置を探し出した。電話で何時間もかけて、パーツデポの、粗野な営業マンに当たり、ありもしない顧客サービスの辛抱に明け暮れた。「あるメーカーがポストイットの紙に見積もりを書いて、私によこしてくれた。」　彼は回想する。「何時間もの電話とストレスの積もった調査の後、クレジットカードで8個の装置を手に入れた。そこで新発見をした。自動車工場に装置を供給するサービスをこの不便なMontanaで行うなら、すぐれた仕組みがとてつもなく必要となる。

数週間後、彼と奥さんは最初の自動車修理ビジネスに加え、American Automotive Supplyを起こす。この新しいビジネスは自動車の装置、情報システム、化学品、負荷備品、サービスをMontana、Idaho、Wyomingで行う事業である。Fieldの新しい事業として、トップレベルの顧客サービスと、自動車修理のプロが必要とする隙間のサプライ品の供給となった。

事業は伸びてくれ、1992年、Fieldは自動車部品サプライの世界的なメーカー、Wynn oil Companyの地域卸販売賞を受けることになる。

1996年年央、Fieldは新しい何かを始めようとしていた。経営の役割をVictoriaに渡し、選択肢を練っていた。その頃、彼は親友のMichael McNicholasと一緒に蚊針釣り旅行に出ていた。時期は熟してきた。Michaelは地元の印刷会社に勤めていたが、店じまいとなり、彼は職を失う羽目となる。彼はFieldの経歴を知っていて、ある提案、「Fieldがこの店じまいの会社から設備を買って、印刷事業に戻り、McNicholasを従業員として雇う。」をしてくれた。Andrewは市場調査を行い、この町にある２社より優れたサービスができると踏んだのだ。「次の手は、古い、空き家のチーズ工場を借り、印刷機と50万ドル(6,000万円)かけて他の設備を入れ、Express Color Printingを誕生させたのだ。」と、Fieldは言う。「いいことは、投資には5％の利回りが必要と、Wynnのビジネスでは厳格に運用されてきた。」

Fieldは新印刷会社でMcNicholasや彼より古くから働いていた、ベテランの職人、Boyd Badtenと一緒に、不断に働いた。Express Color Printingは鳴かず飛ばずであったが、遂に、利益計上出来るようになった。しかし、1998年に売上は頭を打つ。点在人口4万人、周辺部を入れてもプリントバイヤーは限られていて、Fieldはこの商売の伸ばし方に確信がなかった。その時、ある顧客がフロッピーディスクを持って店に入って来て、Microsoft Office Publisherソフトのファイルから印刷してくれと頼んでいる。「この男は釣り人向け蚊針の結び方カタログを何時間もかけて制作していた。」　Fieldは説明する。「彼はあらゆる、地方の印刷会社に頼んだが、助けてくれないのでここを出ない。」とした。

この挑戦にスリルを覚え、Fieldとそのチームは解決にあたった。顧客の作ったファイルから、最終製品へ既存のソフトを使って微調整をした。そこで、Fieldは確信をつかむ。「もし、この客がこの種のファイルで印刷に困っているなら、他の方も同じ悩みを持っていよう。」　またしても、Fieldの直感が当たろうとしている。(次ページへ続く）